想像していたよりも読みやすい司馬遼太郎の「街道をゆく」

北海道生活

少し前から、昔読んだ北海道関連本の自分でまとめたレビューを整理しているのですが、今回は難しそうなものを取り上げます。

あくまでもイメージが難しそうなだけで、実際はそうでもありません。

 

今回取り上げるのは、司馬遼太郎氏の「街道をゆく」シリーズの中から北海道のことを取り上げた2冊です。

 

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意外と読みやすい司馬遼太郎氏の「街道をゆく」シリーズ

司馬遼太郎というと「関ヶ原」「国盗り物語」「坂の上の雲」など長編の歴史小説で有名な作家です。

いずれも名作なのですが、題材が壮大なだけに読むのが難しそうなイメージがあります。

実際に読んでみると、登場人物や地名などがたくさん出てくるので覚えるのが大変なのを除けば、比較的読みやすい話が多いです。

長い話も、一度読み始めると、結構のめり込んでしまうくらいです。

今は時間がないのですが、老後の楽しみにじっくり読もうかなと思っているくらいです。

 

司馬遼太郎は小説だけではなく、エッセイなども書いており、中でも「街道をゆく」シリーズは有名です。

日本各地を実際に旅した時に体験したことなどを書き下ろしています。

あれだけの小説を書いているので、この手のエッセイでも難しそうに思えるのでうが、思ったよりもわかりやすく、読みやすいです。

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北海道が舞台の「街道をゆく」シリーズのレビュー(感想)

私が実際に読んだことがあるのは、北海道が舞台の2冊、

  • 街道をゆく15 北海道の諸道
  • オホーツク街道―街道をゆく38

です。

それぞれ読んだ当時の感想は次の通りです。

 

街道をゆく15 北海道の諸道

まずはこちらです。

函館を出発点に札幌、旭川、陸別への道のりをたずね歩きます。

原野を切り開いた開拓使や劣悪な環境で労働を強いられた囚人、屯田兵の時代を振り返り、アイヌとの抗争から台頭した松前氏の京風文化にも触れています。

こういう話が出てくるのは歴史小説を書いている司馬遼太郎氏らしいです。

 

北海道の歴史の話としては、松前藩、高田屋嘉兵衛、幕末の箱館といった主要なところはもちろん押さえておりますが、三岸好太郎と子母沢寛についても取り上げていました。

さらに北海道の黒歴史であるタコ部屋についても書いてあり、かなり色々と下調べをして旅をしていたことが伺え、改めて司馬さんの視野の広さに驚かされます。

 

タコ部屋のことについては司馬さんの独自の視点で語られており、この仕組みが北海道で使われたことについてはなんとも言いがたいよう印象を文中から察することができます。

私自身、タコ部屋のことは三浦綾子さんのある作品で取り上げられており知っておりましたが、その過酷さには壮絶です。

集治監(明治時代に設置された囚人の収容施設)で強制労働された囚人とは違い、生活に困ったり、騙されたりした人々が放り込まれ、相当劣悪な環境だったそうです。

(蟹工船もそれに近いですね)

 

なお、この本が書かれたのが1980年代前半なので、今との違いも出ており、今後歴史的価値も出てきそうです。

 

オホーツク街道―街道をゆく38

そしてもう1冊はオホーツク近辺がテーマのこちらの本です

 

網走と稚内を中心とした地域を取り上げております。

本の紹介文には次のように書かれております。

流氷の流れ着く北海道・オホーツク海沿岸で発見された多くの遺跡、この土地でどんな暮らしが営まれていたのか。

彼らはどこからやってきたのか。

海・山・川 に恵まれた豊かな北の狩猟生活に思いを馳せ、“韃靼大陸”へ繋がる道を探る。歴史全体への深い洞察に、独自の考古学的視点を重ねた異色の一冊。

amazonの商品紹介ページより引用>

このシリーズでは北海道のかなり昔の話に踏み込んでいます。

 

網走ではモヨロ貝塚を発見した米村喜男衛さんのことをよく取り上げておりました。

米村喜男衛さんは高等教育などで考古学を学んだわけではないの ですが、独学で考古学に興味を持ち、大正初期に網走に渡り、貝塚を発見した方です。

そこから古代のオホーツク文化の研究が進んだと言われております。

考古学マニアの司馬さんらしく、本の全編を通し、様々なところで米村さんの話が出てきます。

 

正直、印象に残ったのはこのことだけでした。

ほかにもいろいろと書かれていたのですが、話を詰め込みすぎた感じで、遺跡に興味がなければ、読んでいたもあまり頭に入らないでしょう。

 

読んだ当時はなかなか理解できませんでしたが、今後読み返したときに理解できるのかもしれません。

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まずは街道をゆく15だけ読めば十分

以上、司馬遼太郎の街道をゆくシリーズから北海道に関するものを取り上げました。

単なる紀行文ではなく、歴史的背景がテーマになっているので、歴史に多少なりとも興味がないと面白くないかもしれません。

 

それでも、15の北海道の諸道なら比較的読みやすいかもしれません。

もし、今までこういうジャンルを読んだことがないのであれば、この本から入ればとっつきやすいかもしれません。

 

北海道以外の地域の街道をゆくシリーズは、今後の楽しみに取っておこうかなと思っています。