南極観測隊の料理人西村淳さんの面白エッセイ3冊のレビュー

北海道生活

かつて料理人として南極観測隊に参加した西村淳さん。

実は北海道出身ということを何かのきっかけで知り、著書を何冊か読んだことがあります。

南極観測についてのエッセイが中心なのですが、これがまた面白おかしく書いてあり、楽しい本でした。

今回は西村さんの著書から、私が実際に読んだことのある3冊の書評(レビュー)を紹介します。

 

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南極観測隊の料理人西村淳さんの抱腹絶倒のエッセイ3冊

西村さんは海上保安庁からの出向で南極観測隊に参加し、最近では南極という環境で食材を無駄なく使いまわす料理人ということでテレビなどでも有名になりました。

この時のことも映画化されており、結構話題にもなりました。

 

今回取り上げるのは、南極観測についてのものが2冊、

西村さんが高校まで過ごした北海道での話が1冊の合計3冊です。

 

エッセイデビュー作「面白南極料理人」

1冊目はデビュー作の「面白南極料理人」です。

第38次南極観測隊にドームふじの料理人として参加したときのことをまとめた1冊です。

(実はこれが2回目の南極観測隊の参加です)

 

標高3800m、年間平均気温-57℃!

これが日本の観測隊が滞在する「ドームふじ基地」、メインの拠点である昭和基地から更に1,000km離れた場所が西村さんが活動する場所です。

そんな場所に男ばかり9名、まるまる1年間共同生活をするのです。

極寒の環境で、かつ周りは真っ白と生活環境だけでも想像を絶するのに、1年も人同士が上手くやっていけるのだろうかと読んでるこちらが心配になるくらいです。

 

本書では、西村さんのユニークかつ豪快な語り口(イメージで言うと椎名誠さんに近いかな)で、南極での生活について面白おかしく、時には暴言も辞さず、結構ぶっ飛んだ内容です。

時には-70℃近くになる環境の中で、個性的な隊員たちの間で起こる様々なトラブル。

その都度解決し、何かあれば宴会を開き、過酷な環境での生活を乗り切っていきます。

 

実際に隊員が南極でどんな暮らしをしているのかというのがわかりやすく書いてあり、読みやすい内容となっております。

それにしても、仕事とはいえ、こんなところに1年間もよく過ごせるものと感心してしまいます。

最初の1冊目としては、これを読めば西村さんがどんな人なのかというのがよくわかります。

 

1回目の南極観測についてのこと「名人誕生―面白南極料理人」

2冊目は「名人誕生―面白南極料理人」です。

こちらの本では、1回目の南極観測隊員でのエピソードが書かれております。

西村さんが初めて参加した南極観測隊は1988年のときです。

このエッセイは2009年に出版されているせいか、話が脱線することが多く、頻繁に時系列が飛んでおります。

当の本人も話の流れがズレているのは気づいているのですが、一向に直すことはせず、なんとか昔の記憶を引っ張り出し、勢いで書き上げたのが読んでいてもわかります。

 

語り口は1冊目の「面白南極料理人」の時と変わらず、時々暴言も出てきます。

でも、やはり昔の話のせいか、前作よりは柔らかめです(それでも十分面白いです)。

前作では料理人らしく料理のことについて触れることが多かったのですが、本書では一緒に南極へ行く隊員のことが話の中心です。

とにかく全員キャラが濃いです!

本当にこんな人がいるのかと思うぐらい笑えました。

本は南極生活の途中で終わってしまっており、いずれは続編を出したいと意気込んでおりますが、今のところ続きは出ていないようです。

 

西村淳の北海道の青春時代が描かれた「ケンカ、友情、サツ婆ちゃん ちょっぴり初恋: 南極料理人の悪ガキ時代」

3冊目は「ケンカ、友情、サツ婆ちゃん ちょっぴり初恋: 南極料理人の悪ガキ時代」です。

これは南極のことは何も関係なく、西村さんが高校までのことを描いたエッセイです。

おそらく、今回紹介した中で1番面白かったのがこれでした。

 

具体的にどうだと説明するのは難しいのですが、とにかくぶっ飛んだ文章を書く人です。

文体もかなり砕けているのですが、中身(暮らしぶり)も破れかぶれです。

ただ読んでる方としてはとても面白く、かなり笑わせてもらいました。

 

西村さんの幼年期から高校を卒業するまでが書かれており、北海道留萌に生まれ育ち、小学生のときに名寄に引っ越し、さらに中学の途中で網走へ行き高校を卒業するまで過ごしました。

西村さん、昔から相当に暴れまわっています。

 

幼稚園では天使の銅像に乗っかって破壊をしたり、ヤギを連れてきたら園内で突然ヤギが暴れだしパニックになり停園(要は停学ですね)なったりと、早くも暴れん坊の片鱗を見せています。

 

小学生のときはいじめっ子の仕返しに、その子が大事にしていたハト小屋の周りにマタタビの粉をまき、ネコに奇襲をかけさせ全滅させる(しかもこれは著者のおばあさんの入れ知恵)。

自分たちで作った雪小屋(かまくらみたいなもの)を守るため、しつけができていない犬を潜ませ、奇襲をかけた野郎どもを返り討ちにしたりと、その他にも多くのエピソードが満載です。

話の時々出てくるキーパーソンである著者のおばあさん、とてもいい味を出しております。

 

しかし、西村さんはこれだけのことをよく覚えていますね。

1952年生まれの西村さんが過ごした当時の時代背景の描写もあり、特にそのころの北海道を知る方にとっては懐かしいでしょうし、知らない人にとっても新鮮さを感じるでしょう。

とにかく無条件で楽しめる1冊ですので、文字の本で何か面白いものを読みたいならオススメしたいです。

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他にもある西村淳さんの面白エッセイ

以上、南極観測隊に参加した料理人、西村淳さんのエッセイを3冊紹介しました。

この3冊だけでも十分面白いのですが、他にもいくつか著書があります。

ほとんどが料理関連の物になるのですが、気になる1冊として「面白南極料理人 笑う食卓」というエッセイがあります。

こちらは1冊目の「面白南極料理人」の次に出たシリーズで、やはり南極での暮らしや食生活について取り上げた物になります。

私はまだ読めていないのですが、これもかなり面白そうなので、機会があれば手に入れて読んでみたいです。

 

また映画化された「南極料理人」もまだ見たことがないので、こちらも気になります。

ちなみに主演は堺雅人さんです。