2021年1月12日に発売予定だったサッポロとファミリーマートの共同開発ビールが、英語のスペルミスが発覚し販売中止になってしまいました。
本来は「LAGER」と書かないといけないのに、間違って「LAGAR」となってしまったのが原因です。
間違ったのはデザインだけで、商品の中身には全く問題がないため、世間からは勿体無いという声が上がっております。
しかし、大企業ともなるとそうもいかない事情があるのでしょう。
サッポロとファミリーマートが「LAGER」ビールを販売中止にした理由
🙆♀️「LAGER」
🙅♂️「LAGAR」1文字のスペルミスで、発売中止に🍺https://t.co/hxbwbBoTS7
— ハフポスト日本版 / 会話を生み出す国際メディア (@HuffPostJapan) January 9, 2021
まさかこんな理由で販売中止になるとは、全くバカバカしい話です。
そのまま黙って販売しても問題ないと思われがちですが、ちょっとでも何か問題が発生すると、すぐに揉み消しにかかるのが日本の企業の体質です。
おそらく発売中止にした原因として考えられるのは、
- ミスを見つけたクレーマーがしつこく絡んでくるから
- 企業としての汚点を最小限に留めたい
- 期間限定商品なので廃棄コストがさほどではない
ミスを見つけたクレーマーがしつこく絡んでくる
まず考えられるのは、しつこいクレーマーの存在です。
こんなことをネチネチ言ってくるのは、ほんの一握りの暇人クレーマーだけではありますが、一度絡みだすと本当にしつこいです。
別にクレーマー本人に何か被害が及んでいるわけではないのですが、こういう奴らはあることないこと外に言いふらし、企業の評判を下げようとします。
企業側としてもなるべく穏便に済ませたいので、クレーマーを黙らせるために様々な対応を強いられることになります。
こういう相手をするのって、本当に時間もかかるし疲弊してしまいます。
そういう面倒を避けるには、たとえ中身がちゃんとしてても商品として世に出せません。
企業として汚点を最小限に留めたい
続いては企業側の都合にはなるのですが、仮に間違ったスペルの商品が世に出てしまった場合にどうなるか。
こういうのを見つけた消費者の中には面白がってSNSや掲示板に投稿するでしょう。
「サッポロワロタwww」とか書いて(笑)
消費者側としても、面白いネタではありますが、企業側からしたら笑い事ではありません。
まずはすぐにでも商品回収し、そしてどこで間違ったのかと犯人探しが始まります。
原因となって関係者は当然処分、解雇まではいかなくとも下手すると減俸や降格になる可能性もあります。
そして経営者も責任を取らなくてはいけません。
当然会社としても、こんなヘマやらかしてしまたら、後々まで黒歴史として残ってしまうでしょう。
特に大企業であればあるほど、企業としては汚点を残したくないものです。
そうなれば、少しでも傷が浅いうちに回収して販売中止にするというのは当然の判断となります。
幸い、期間限定商品であったため、回収したとしても思ったほどのコストはかからないのかもしれません。
世間からは「LAGAR」のまま販売すれば良いという声があるけど
今回のLAGER騒動、世間からはもったいないから、そのまま販売すれば良いという声が結構上がっております。
最近はフードロスをなくそうという運動などもあるので、その方が好ましいとは思われます。
しかし、企業側としてはやはり恥ずかしいのではないでしょうか。
仮にお詫びのうえ、そのまま販売しますなんてやったらどうなるか。
これをネタに悪意ある消費者の中にはSNSで画像と一緒に投稿し、サッポロをファミリーマートを茶化す可能性もあるでしょう。
これは大企業にとってはとても耐えられるものではありません。
本当は経営者にそれを許容できる度量があればいいのですが、創業者ではないないサラリーマン社長ですし、なるべく余計なトラブルは避けて任期を全うしたいと考えるはずです。
今回はサッポロでしたが、おそらくキリンやアサヒ、サントリーでも同じように対応するはずです。
フードロスの点ではもったいないとは感じますが、企業側の立場で考えると、やはり発売中止にするしかないのでしょう。
(追記)「LAGAR」ビールやっぱり発売へ
【撤回】スペルミスのビール、そのまま発売へ「温かいご意見を頂きました」https://t.co/qno4ALEGpG
サッポロとファミマの共同開発商品。「LAGER」とすべきところが「LAGAR」と表記されており、一時は発売中止を発表していたが、撤回しそのまま販売することになった。 pic.twitter.com/Q7MaG16qNk
— ライブドアニュース (@livedoornews) January 13, 2021
「もったいない」という反響は予想以上に多かったようで、中止を撤回して販売することになりました。
間違いについてはシビアだった大企業がこのようは判断をするというのは、英断と言えるでしょう。
むしろ、この決断によってサッポロビールとファミリーマートの好感度もアップし、まさに怪我の功名と言えるでしょう。