ヒグマはガチでヤバい!リアルに恐怖を知るためのおすすめ本3冊

北海道小ネタ

札幌の市街地にヒグマが出没したというニュースで大騒ぎになっております。

道外の方から見たら伝わりにくいかもしれませんが、ヒグマはかなり凶暴です。

現在は大きな被害は出ていないものの、過去にはとんでもない事件も起きております。

過去にヒグマの恐怖を伝える小説を読んだことがあるのですが、とんでもない内容でした。

今回は過去に読んで、ヒグマの恐怖をしるオススメ本を紹介します。

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北海道のヒグマの恐ろしさを知るためのオススメ本3冊

熊はくまモンやリラックマなどのキャラクターのイメージが先行し、カワイイと思われることもありますが、実際はかなり凶暴です。

特に北海道のヒグマ(羆)は、場合によっては人を襲うこともあります。

以前、北海道の本を色々とかき集めて読んでいた時期に、ヒグマに関するものも目にしており、学術的なものから過去の事件を題材にした小説など多種に渡ります。

今回は、その中から私自身が読んで印象に残っている3冊、

  • 羆嵐
  • シャトゥーン ヒグマの森
  • 羆撃ち

を紹介します。

三毛別羆事件を題材にした「羆嵐」

1冊目は吉村昭さんの「羆嵐(くまあらし)」です。

この作品は、過去、北海道で起こった最大の獣害(じゅうがい)事件といわれる三毛別羆事件を題材にしたほぼノンフィクションの小説です。

ジャンルは小説となっておりますが、内容はきわめて事実に沿って書かれております。

 

事件のあった集落の概要から話は始まり、ヒグマが現れて最初の犠牲者が襲われた状況、犠牲者の通夜に再びヒグマが現れ大混乱、そして次の犠牲者が出てしまう。

警察や周りの村々を巻き込んでのヒグマ退治に乗り出すも全く太刀打ち出来ず、最後の望みとして一人の羆撃ちに全てを託すことになります。

 

全編が詳細な描写で書かれており、ヒグマに襲わる場面では読んでるだけでも恐怖を覚えます。

そして人々の混乱、恐怖、村の者とよその者との行き違いなど、人の心理が事細かに表現され、話のもつ雰囲気をよりいっそう重厚なものにしております。

ちなみに、この事件ででてきたヒグマは胸から背中にかけて袈裟懸けと呼ばれる白斑があったので「袈裟懸け」と呼ばれているそうです。

 

かなり生々しい描写ですので、猟奇的なものが苦手な方にはオススメ出来ませんが、ヒグマの恐ろしさを知るには読むべき1冊です。

七帝柔道記の増田俊也が書いた「シャトゥーン ヒグマの森」

2冊目は増田俊也さんの「シャトゥーン ヒグマの森」です。

こちらは羆嵐と違い完全にフィクションではあるものの、かなり怖い話です。

この本を読んだ当時、読み終わった後、すごい恐怖感に襲われました。

文章だけなのですが、頭の中で再生される映像が怖すぎました。

 

ストーリーは冬眠に失敗した「穴持たず(それをシャトゥーンというそうです)」のヒグマが人間を襲う話です。

色々とヒグマに関する書物は読んできましたが、その獰猛さと人を襲い食べてしまうときの描写があまりにも生々しく、非常に恐怖感を膨らまします。

フィクションですので、これが本当のヒグマの生態なのかどうかはわかりませんが、文章にはとても説得力があります。

特に小屋の窓からあっという間にヒグマに引っ張られた外国人男の悲惨は群を抜いており、体中を次々にかじられ、骨ごと砕かれ、その音が真冬のシーンとした森の中で噛み砕かれる音だけが響く。

もし、その場にいたと思うと絶望しか感じられません。

 

本作品はミステリー小説であり、その謎が徐々に明らかになっていく構成になってはいますが、そんなことを忘れるほど、ヒグマに襲われる恐怖がじわりじわりと自分に襲ってきます。

当時私が読んだときは、最初は軽い気持ちで目を通しましたが、どうしても続きが気になり、その日のうちに全て読み切りました。

ところが、読み終わって眠ったときに、まさか夢の中でヒグマに襲われるシーンが出てきてしまい、目が覚めても暫く脳裏から離れませんでした。

いやあ、あのときは本当に怖かった、夢にうなされるなんて、ここ何年もなかったので、余計怖かったです。

 

なお、本作品はマンガ化もされているようですが、この内容を絵で再現するというのは相当グロテスクになりそうで、私はとても見たいとは思いません。

作者の増田俊也さんは、この作品で「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞しております。

その後「七帝柔道記」や「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」などがヒットしております。

実在する猟師のノンフィクション「羆撃ち」

最後、3冊目に紹介するのは、久保俊治さんという実在の猟師のノンフィクション「羆撃ち」です。

久保さんは、たった1人で北海道の山中に入り、何日もヒグマやシカを追い、そして仕留める猟師です。

過去に「情熱大陸」や「プロフェッショナル仕事の流儀」に出演したことがあるので、ご存知の方もいるかもしれません。

とにかく獲物を捕らえることだけしか考えていない。

誰とも会わずとも孤独を感じさせず、寝食も最低限だけ。

そんなストイックな猟師の記録です。

2009年にこの本が出版されたのですが、発売当時は各メディアで大反響を呼び、椎名誠氏も「その研ぎ澄まされた感性に羨望する」と語っていたくらいです。

大まかなあらすじですが、北海道に生まれ育った久保さんが小さいころに父親に連れられたことで狩猟に興味を持ったきっかけから始まります。

やがて大学を卒業してから1人で本格的に狩猟を始め、北海道の山々を渡り歩きます。

その後、兼ねてからの希望であった猟犬を飼い始め、育て始めてから一人前になるまでの過程が描かれております。

途中、アメリカへの武者修行をはさみ、北海道へ戻った後、再び猟犬と共に狩猟を続けますが、突然、別れのときが訪れてしまいました。

 

おそらく、この本の盛り上がるポイントは猟犬フチとの交流と、別れの場面なのでしょうが、個人的に好きなのは、むしろ前半のたった1人で山に入り狩猟を行うシーンです。

山に入り、獲物を探し当て、追いかけるまでの過程で著者の心情が事細かく書かれており、その緊張した息遣いがとてもよく伝わってきます。

若干、獲物を捕らえたシーンの描写の弱さはあったものの、それも気にならないほどの文章力があり、読者を本の中の世界に引き込みます。

猟の話ですので、生き物の殺生など生々しいシーンも出てきますが、ノンフィクション作品としては十分に読み応えがありますので、ぜひとも目を通してもらいたい1冊です。

 

なかなか、久保さんのような生き方ができる人は殆どいないのでしょうが、そのストイックさには脱帽です。

これだけのめりこむものがあることが羨ましく感じました。

 

以上、3冊紹介しました。

ハンター(猟師)としてヒグマと向き合うドキュメンタリーは「羆撃ち」、ヒグマの恐ろしさを知るには「羆嵐」と「シャトゥーン」という風に分かれます。

読みやすのは「羆撃ち」、内容的にもリアル感があります。

あとの2冊は、読み終えた後に怖くなるかもしれませんので、それを踏まえて手に取ってもらえると良いでしょう。