「こんな夜更けにバナナかよ」が大泉洋さん主演で映画化されるのですね

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北海道小ネタ

 

いつものように話題探しのためにネットサーフィンをしていたら「こんな夜更けにバナナかよ」が大泉洋さん主演で映画化されるという記事を見つけました。

驚いたのは大泉洋さんが主演ということではなく、選ばれた作品の方です。

 

札幌で生きた、とある障害者の壮絶なノンフィクション

「こんな夜更けにバナナかよ」

 

確か5~6年ほど前、北海道に関する書物に興味を持ち、探しては貪るように読んでいた時期でした。

この作品もそのような関連から、たまたま見つけた作品でした。

舞台が北海道であるというだけです。

 

しかし綴られている内容は、予想以上に壮絶でした。

確か400ページ以上あるのですが、引き込まれるように読み進めていた記憶があります。

 

まさに生きることに対する執念を感じた1冊

確か昔書いていたブログで、この作品を取り上げたことを思い出し、久しぶりに昔のブログを見返したらありました。

恥ずかしいですが、当時書いたままに転載します。

(一部誤字脱字は直しました)

 

この本を読んだ感想を述べよと問われたら、「執念」という一言に尽きます。

本書は筋ジストロフィーにかかり障害を負い、本来であれば病院での介護が必要であるが、あえて自宅での生活を望み、介護ボランティアのサポートを受けながら生活している鹿野靖明とそれを支える介助ボランティアとの交流(という生易しいものではないですが)を中心に描かれたドキュメンタリーです。

普通、この手の話はボランティアが介助を通して人生観が変わっただとか、障がい者が抱えている内に秘めた悩み、インフラの不整備、法令等の問題などといったことが取り上げられますが、本書はインフラに多少触れている程度で、殆どは鹿野とボランティアとのやり取りを中心にありのまま書かれています。

本書の主人公である鹿野氏は、一般的に思い描かれる弱々しく内気な障がい者ではありません。

自己主張が激しく、読み進めているうちに障がい者であることを忘れてしまうぐらい、なんてとんでもない奴だと思わずにはいられなくなります。

おそらく彼は障がい者ではなくても、我が強く周りと衝突するようなタイプであり、たまたま障害を背負ってしまっただけです。

その彼が障害を抱えたにも関わらず病院でずっと過ごすことに拒否し、自宅で生活することを望みますが、自力で生活できないためボランティアの助けを得ながら暮らすことになります。

しかし、彼は強いエゴの持ち主でボランティアに次から次に要求を続け、ボランティア側も最初は我慢するのですが、やはり人であるため衝突してしまいます。

鹿野氏は人として当たり前のことをしたいのですが、それができず、しかも思ったことをすぐ口にし、時には口汚く罵ることもあります。

そのような感じですので、中には耐えられず去っていくボランティアもいるのですが、やがて心を通わせ、お互いに思っていることを屈託なく話し合い交流を深めていきます。

この本から伝わってくるのは、鹿野氏の「執念」に他ならず、障がい者であっても自宅で生活しようとすること、体が思うように動かなく人を頼ってでも自分の欲望に逆らわずやりたいことをやること、そしてそれは何よりも生きることに対しての執念ということがとても伝わってきました。

本書は2003年に発売され、当時北海道に立ち寄ったときには道内の書店で大々的に宣伝されており、いつかは読んでみたいと思っていました。

そして10年経ってようやく手に取りました。

450ページにもわたる濃密な内容ですので、読破するのに時間はかかりましたが、読み終わった後は久々に充実感を得ることができました。

本書は障がい者の問題に関心はある方はもちろん、そうでない方も読んでみることで何か感じるところはあるのではと思います。

大竹壮一ノンフィクション賞を受賞した割には内地で見かけることは殆どなかったのは残念です。

やはり北海道という一地域での話とほぼ無名である著者であることが響いたのでしょうか。

もっと大々的に紹介されてもおかしくないなと感じました。

 

なんとも拙く文章ですが、読み終わったときの興奮がそのまま現れてると我ながら感じました。

障害者との向き合い方を、非常に考えさせられるノンフィクションでした。

 

大泉洋の演技云々より、作品そのものを感じ取ってほしい

こんな壮絶な作品ですから、映像化など絶対不可能だと思っていました。

が、まさか映画化することになるなんて晴天の霹靂です。

どうやら大泉洋さんが鹿野氏を演じるのですね。

 

だいたいこういう話題だと、大泉洋が鹿野氏をどのように演じるのかということに注目が集まり、ファンもそれを目当てで映画館に足を運ぶかもしれません。

しかし、作品自体に非常に力があるので、おそらく演技云々の論評は吹っ飛ぶのは間違いありません。

それだけ考えさせられる内容なのです。

 

これを映画化でどこまで再現されるのかということに興味はありますが、このような形でも、こういう実話があったということが広まるのは良いことだと思います。

 

できれば原作を先に読んでみることを、お勧めしたいです。

 

 

大泉洋さんもこの役をよく引き受けたものです。

俳優としての力量が非常に問われる役なので、今までの印象がガラッと変わるかもしれませんね。

本人にしても非常に難しいのではないかと思いますが、頑張って欲しいです。

 

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