地域ブランドNo.1函館の脳裏に浮かぶ「海炭市叙景」の寂れたイメージ

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北海道小ネタ

 

毎年、自治体の魅力度をランキング付けする「地域ブランド調査」が行われています。

先日、2018年のランキングが発表され、ニュースでも取り上げられております。

 

総合のブランド力で、市町村では函館市が1位、都道府県でも北海道がトップという結果になりました!

 

移住して道民となった身としては、本来なら喜ばしいのはずではありますが・・・。

なぜか正直に喜べない自分もいます。

 

確かに観光地としては魅力に溢れて入るのですが、実際に住んでいる側から見ると、果たして本当なのか?

道庁所在地の札幌は別として、上位に入っている函館や小樽などは、実生活においては結構くる死んている面もあるのです。

札幌やその周辺の圏内自治体以外は、人口減、そして過疎化に苦しんでいるのが現実!

そして経済的にも厳しい状況です。

 

そういうことを考えていると、ふと函館市をモデルにした小説「海炭市叙景」のことを思い浮かびました。

 

函館市がモデルとなった「海炭市叙景」とはどんな小説?

「海炭市叙景」は、函館市出身の作家、佐藤泰志さんの作品です。

高校卒業し大学進学を機に上京、作家としてデビューするものの、なかなか売れず函館に帰郷します。

帰ってきた函館の変貌ぶりに衝撃を受け、失われていく街並みや都会の繁栄とは対照的に衰退する地方都市のありさま、函館朝市で苦労して生きた両親のような庶民の暮らしぶりに目を向け、地元・函館の街を描こうとしました。

その時期に当たる、1981年(昭和56年)ごろの函館がモデルとなっております。

 

全部で18の短編で構成されるこの小説は、全体的に重いトーンで進んでいきます。

ストーリーにも起承転結がはっきりしているわけではなく、その時その時のあらましが淡々を描かれています。

(なので、ドラマチックな展開が好みだと、多分つまらない話だと思われます)

 

私も実際にこの本を読んだことがあるのですが、寂れて行くばかりの街と人々の悲壮感などがよく会わられていました。

 

そして、この話が今から30年以上前の函館がモデル、この頃からすでに衰退が始まっていたのです。

市内の華やかや観光地の裏で、そこに住む人々から、徐々に活力がなくなっていたのです。

 

登場人物等はもちろんフィクションではありますが、ストーリーなどは当時のことがそのまま反映されています。

こういう話を読むと、地方都市ゆえの悲哀が良くわかります。

 

函館ですら人口減に苦しんでいる事実

どうせ小説だけの話だろうと思われがちですが、衰退ぶりは実際に数字に表れているのです。

それを一番よく表しているのが、函館市の人口推移です。

 

<函館市公式サイト「市の概要・統計」より抜粋>

 

昭和57年をピークに、衰退の一途をたどっています。

人口減の原因は、少子高齢化もあるでしょうが、やはり転出が多いのでしょう。

特に高校を卒業した若者が進学・就職を機に、札幌や東京などへ向かい、そのまま帰ってこない。

函館だけでなく、日本の地方都市どこでも悩んでいる問題ではあります。

 

特にバブル崩壊後、地元で就職したくても仕事がない!

仕事があるのは東京や大阪などだけという時期もありました。

特に私が新卒で就職活動していた時が、まさにそうで、札幌で就職したいと思っても、ほとんど求人がない状況でした。

 

そしてバルブの崩壊から長い不景気が続き、特に北海道は大打撃を受けました。

今でもその影響は地方都市ては尾を引いております。

 

例えば、実家のある旭川では、ここ数年の間に、丸井今井、西武百貨店と立て続けに閉店し、商店街もシャッターが降りているところもあります。

駅前はちょっと華やかに見えても、5分も歩けば、商店街の衰退ぶりが手に取るようにわかります。

 

(イメージ)

 

道内第2の人口を持つ旭川でさえそうなのですから、おそらく函館も状況は似たようなものかもしれません。

観光客が集まる地域は別として、市民が暮らしているところなどは、結構厳しいのではないかと思われます。

 

以上のように、自分が北海道に就職しようとした経験や、実際に旭川で見た光景を思うと、ブランド力No.1と言われても、そこに住んでいる市民としては手放しでは喜べないのではと想像してしまいます。

それは、まさに「海炭市叙景」に登場してくる市井の人々そのものです。

 

函館を始め、道内自治体がブランド力を生かしてさらに活性化を進めたい!

なんか、このように書くと、せっかくブランドNo.1になった函館市や、都道府県首位の北海道を貶めたいのかと思われそうですが、決してそんなことはありません。

もちろん、とても嬉しいですし、北海道に移住してよかったなと思ってます。

 

でも、そういう表面的なところだけ見るのではなく、実際には今でも厳しい状況にあるのだという現実も知って欲しいのです。

 

例えば2位の京都市、5位の神戸市、6位の横浜市は、観光地としての魅力はもちろん、自治体の経済力も安定しており、インフラなどもしっかり整っていることでしょう。

おそらく市民の満足度も高いはずです。

(京都は何と言っても任天堂や京セラ、日本電産といった世界有数の企業の本社があるのも大きい!)

 

それに比べて、函館や小樽、富良野などは、決して自治体の財政が良いとは言えないのが現状です。

魅力度上位にあるのは、観光地としてのブランドや知名度が飛び抜けているからです。

 

 

ですから、そのブランド力をもっと生かして、いろいろなアピールをしたいところ。

自治体としての基盤をあげるには、観光産業を前面に出して行くしかないのは避けられません。

でも、観光客を待つだけではなく、そこからさらに一歩推し進めたいところ。

 

多分考えればいろいろなアイデアは出てくるはずですから、そこからさらに発展させていきたいですね。

そして、その収益を地元に還元し、潤うようになれば言うことなしなのですが・・・。

 

私も北海道がもっと魅力的になるにはどうすればいいか、考えないと!

微力ながら、少しでもそれに貢献できればいいなというのが私自身の目標でもあります。

 

※「海炭市叙景」は映画化され、DVDも発売されてます。

 

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